ワックスが実際に滑ってどのように削れるか観察するのがねらい
第1回目
実施日は97年1月15日 群馬県尾瀬岩倉スキー場正面ゲレンデ
雪は粉雪であった。天候晴れ
黄色の滑走面をクレヨンぽいマジックでトップからテールまで塗り、1500m位滑走した。雪は粉雪であった。結果、以下に写真を貼付する。写真のようにブーツの下の部分が一番良く削れ、トップとテールに関しては、エッジ際が削れた。
第2回目
実施日は97年2月2日 長野県菅平スキー場大松ゲレンデグランプリコース
油性マジックで片方を方眼に線を付け、片方に升目を斑に付けた。1500m位滑走した。雪は粉雪であった。結果、以下に写真を添付する。あまり椅麗に削れなかった。かろうじてエッジ際5mm程度削れた。
ここまでのまとめ
何処がワックスが一番消耗するかは、大まかには確認できるが、滑走距離と消耗の度合いなどが数値としてこれだけの実験では導き出せない。
第3回目
実施日は97年2月28日 新潟県大和町入海山麓スキー場正面ゲレンデ
ザラメ雪 天候晴れ 雪温0℃
1回目2回目の反省から、ワックスに色が付いたものを利用し、スキーの滑走面と対比する色を利用することで、ワックスの厚さで色の濃度を確認し、滑走前と滑走後の差を求められればと考えた。
結果、ザラメ雪の上を1500m滑走した。滑走前と比べて少しは剥がれたような気はするが、あまり大きな変化は無かった。問題は、ワックスを削る工程で斑になりワックスが消耗したとしても確認出来ない。
○まとめ
この実験では、スキーのどの部分を一番使って滑っているかということは、確認できた。
この年、機械科の石井先生(現在香川大)のもとで画像計測から、色付きワックスと蛍光塗料の滑走面を利用することで、ワックスの落ち具合を定量的に見ることが可能になった。
ワックスの消耗を計測するという発想は非常に面白いものと考えられる。しかし、市販のワックスは、滑走性を高めるためのものである。実験の目的とはそぐわないので、目的にあったワックスの開発が、今後必要となる。