f.撥水効果

接触角の計測

・方法
 デジタルビデオカメラで水滴を撮影し、その画像をコンピュータに取り込み、画像処理をし、そこから接触角を読みとる方法で計測を行っている。この実験の詳細と苦辛した点を以下にまとめた。

○計測面(滑走面)の平行を保つ

 スキー板に直接水滴を垂らしいるが、板はベンド(たわみが)あるため、トップ、センター、テールではレベルゲージで計測すると水平ではない。板によつてはねじれなどもあるので、その計測地点が平行になるように板を支えるところの高さ調整してコントロールした。
 

○水滴の作り方

 最大1mlの大きさの注射器を利用し、水滴を垂らした。垂らし方によって、水滴がひろがったりするので、同じ量、同じ状態になるまで繰り返した。
 

○ビデオカメラ

 水滴を横から平行に撮影出来るようにスタンドで調整して行った。水滴からなるべく離れ望遠で水滴をねらうと、真横から撮影できる。
 

○光輝の当て方

 水滴自体非常に乱反射するので、接触角を計測する部分に光のコントラストができないようにライトの当て方に注意した。2つのライトを使い両側から当ててやると非常に見やすく撮影できた。ライトが1つの場合は、カメラ方向からカメラからやや高い位置から照らすとよい。
 

○画像処理

 PCで画像を拡大して色のコントラストで縦横の点の数から tanθで角度を求める。
 

○接触角の求め方

 液滴法を用いて、求める。この測定の原則は水滴の接触面が水準であること。そして水滴の頂点と左右の接触点の3点を座標で求め、計算で図のθを求め、2倍すれば、接触角が求まる。


 

接触角計測データ

 粗さ(ヤスリNo)と接触角

 それぞれのヤスリで滑走面を研磨して、そこへ0.01mlの水滴を垂らし計測を行った。測定回数は5回で、その平均である。


                                                                                    表1水滴の大きさは0.01ml
 

水滴の量と接触角

滑走面を1500番で研磨し、そこへ水滴の量を変えて計測を行った。


                                                                          表2ヤスリ目(粗さ)1500番で実施

ワックスの違いによる接触角の比較

滑走面を1500番で研磨し、水滴は0.01ml、ワックスを変えた。


                                                                                                              表3

以上の表1と2を以下のグラフに表した。


                                                 グラフ1
 


                                                 グラフ2


                                                 グラフ3


                                                 グラフ4

まとめ

 粗さを変えることで撥水効果に影響が出ることが確認できた。ヤスリの番で180番〜50番でワックスを塗らない時、ワックスを塗った時と同じくらいの撥水効果を示していることが表からわかる。
 ワックスの有無で接触角は変わる。それは、写真や表から理解できる。またワックスを塗ることで、撥水効果が安定することも確認できた。
 水滴の量を増やしていくと接触角が下がっていくことがグラフからわかる。水の量が増えるとぬれやすいと言える。
 ワックスの違いによって接触角の変化は無かった。しかし、滑走性には、ワックスの効果は現れる。動摩擦係数の計測を急ぎたい。



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